猫様闘病記
Cockie Forever
愛猫"くっきい"は、2003/3/25 20時前後に永眠いたしました。
享年15歳ぐらい。乳癌が肺に転移しての大往生でした。
翌日、茶毘に付しました。
お気に入りの座布団の上で眠り続けます。
皆様に可愛がっていただいて、きっと幸せだったはず。本当にありがとうございましたm(__)m
メールから、日記から、私が日々に綴った文章から、彼女が病気と健気にも闘った足跡をたどりました。
2002年夏
胸にシコリがあるのを見つける。
9/8
夕方から手術に備えて断食。ご飯と水の食器が片付けられて何もないところをじっと眺めて、たまにこっちを振り返って、またじーっと見つめていた。「どうしてご飯がないんだろう？」
9/9
6カ所ある乳首のうち一番右上、右の前足の付け根の乳首にできたシコリを除去する手術をした。
9/10
退院する。元気だけど、かなりイジケ中。痛いのかな〜？ とにかく人の側にいたがる。関係ない背中側はともかく、胸側は痛ましい。毛が刈られていたり、ヨードチンキみたいなのが塗られていたりする。
9/11
年の功で、化膿止めの薬はすぐにペッっと吐き出しちゃう。何度めかのトライで、やっと飲ませることができた。こういうのが続くと、呼んでも来なくなるんだよね〜。
9/19
抜糸。腫瘍は悪性だった。乳腺にできたものは肺に転移しやすいとか。今すぐってわけじゃないけど、いよいよ覚悟を決めて付き合っていかないとな。人の顔を見るたびに、あ゛〜↑って感じに鳴く。痛いのかな？
抗ガン剤は猫の小さな身体には負担が大きいから使わない。切除手術はあと1回が限度。無理な延命措置は行わない。今後の方針について獣医と相談して決める。
10/25
同じ乳腺にシコリがまたできてた。獣医が呆れるほど進行が早い。気のせいか今日は食欲が落ちてる感じがする。
11/6
いつの間にか腫瘍が2株に増えてた。このせいで騒いでいるのかも。痛いのか、痒いのか、具合悪いのか何ともわかんないけど、頭なでなですると落ち着く。
11/7
再手術。筋肉も一部切除される。病院でスタッフ相手にヤだヤだ言って、しまいにシャーって怒ってるのを聞いて、涙が出そうだった。
11/8
点滴される。退院するか否か判断を委ねられて迷った末に、連れて帰る。
痛みに必死に耐えてる。食欲なし。このコ熱ある。こりゃ食欲なくすわ。
夕方にカリカリを一粒手に持って口に運んだら、それを食べてくれた。涙が出そうなくらいに嬉しかった。
とにかく人の近くにいたがる。ストーブの前に張り付いたものの痛みと高熱で寝るに寝られず、僕が側にいないとイジケた声を出して、よろよろと近付こうとする。ストーブの前と人の膝の上を行ったり来たりしながら、とにかく寝ようとしている。痛くて眠れない、眠りが浅いってのはある。なでると欠伸をする。ゴロゴロ言う。痛みを我慢してんだろーな。
11/9
夜は相方の布団の中で熟睡。今日は起きて少しだけご飯を食べた。水も飲んだ。自分でトイレにも行った。いじけた声を出さなくなった。
また少しだけ食べてくれた。カリカリを10粒ぐらい？ あと、すげ〜熱があることに気付いた。食べてくれたから抗生物質を飲まることができてまだいいけど、やっぱし明日は点滴してもらう方がいいかな？ 苦しいからだと思うけど、お座りの姿勢で首をうなだれて床をじっと見つめてたりする。黒ネコがそんな風にしてると、床に呪いを掛けてるみたい(^^;)
11/10
水をいっぱい飲んだ。当たり前のことをしてくれるだけでメチャ嬉し〜。ちゃんと横向きにドテっとなって寝てるし。微熱ぐらいに下がった。膝に乗せると普段よりちょっと熱いかな〜ぐらい。夜はいつもの1/3ぐらい食べたかな。痛みを必死に耐えてる感じは薄れて、丸くなって寝てるから、見てるとホッとする。
11/11
さっき毛づくろいをやってたような？ 直接的には見てないから、間違いかもしれない。近くに誰もいなくても騒がないし、とにかく術後の経過についてはもう心配しなくていいみたい。足でカイカイってかいてた。歩くのはまだまだゆっくりだけど。これからだよね(^_-)
11/13
歩きはちょっとよろける。高いところに、ますます上れなくなった。高いところを見上げてモジモジしてる姿は可愛いけどね。
11/14
くっきいさんは絶好調。薬を飲ませようとすると力強くいやいやして、てこずった。立ち上がって両手でいやいやするんだ。飲ませる度にいやいやが上手になってく。亀の甲より年の功だね(^^;)
11/15
獣医に連れてく。経過を見るだけのはずが、糸を取れるところだけ取ることになって、終わってみれば抜糸完了。傷口を消毒したばかりだから、久しぶりにエリザベスカラーを着けて、ラッパちゃんになってる。処置中はいやいやして、怒って、オシッコ漏らして、先生の手を噛んじゃった(^^;)
食欲の鬼だね。また食べて、膝の上に乗ってきた。ストーブの前にラッパがどてっと寝転んで身動き一つせえへん。静かでいいわ〜。
11/17
抜糸した夜にラッパを外して、そのまま。傷口に塗られた消毒薬を舐めないように付けただけだから。食欲旺盛で、わがままも言いたい放題。左側から見たらフツーのネコと変わらないし。右側は毛を目一杯刈られて何じゃこりゃだけどね。
12/2
下毛が少しずつ伸びて来てる。青葉の季節には目立たなくなるかな〜。
12/3
今日はウンコしてない。ご飯はフツーに食べたかな？ 右の脇の下に、また腫れができてる。小豆ぐらいのが…。
12/8
百円ショップで小型犬用のセーターをゲット。毛がない分、これで寒さをカバーできないかな？ 早速着せてみたら、とってもラブリー♥
しかし、本猫は気に食わなくて、「なんか変だよ〜」と目線で静かに訴えているところ(^^;)
12/9
くっきい様は朝に見たら全裸(笑)。よりによってトイレに脱ぎ捨ててあった。
12/18
元気だよ。ご飯もよく食べるし。手術後に甘やかしたせいで、ネコ缶を出せ〜っていう技が増えた。腫れも再び成長中。
12/19
寒いから、小言ババアになって、ストーブの前と僕の膝の上を行ったり来たり。うるさい。
12/23
ベランダに出てエアコンの室外機の上に乗ったはいいけど、肉球が冷たかったのか、部屋にすぐ戻って来た(^^;)。冬だからね〜。
2003/1/1
初詣に出掛ける時、ペットボトルにお湯を入れて、ネコ用の湯たんぽにしたんだけど、「あたしはそんなの使わないわよ。ストーブを着けてちょうだい」と、まったく使う気配なし。親の心ネコ知らず。食欲が落ち気味。
1/3
焼き芋を取られた。ネコ舌だから苦労するくせに。自分のご飯はあんまり食べないのに、人の食べ物をもらいたがる。
1/5
今夜も焼き芋が焼けたよ〜って大騒ぎ。もちろん成功報酬が奪われてゆく。昨日今日とテーブルに乗るし。昔はやらなかったのにな。手術してから何か変だ。いじ汚くなったとゆーか。子供に還りつつあるのかも。
1/6
腫瘍が目立ってきたから獣医に相談した。レントゲンを撮ったら、内臓には転移してないように見えるけど、何も写らないはずの場所に「この小さなのは何だろ？」って白い影があった。最近ゲップが多いのと関係あり？ ステロイド剤と抗生物質で炎症を抑えて様子を見ることにする。といっても、肝心の腫瘍そのものには効果ないんだよね〜。見守るだけ。
友達からアロマテープ療法を教えてもらった。ワラにもすがる思いで獣医さんに質問したら「気休めですね〜」とばっさり。
夕食で白菜泥棒が発生。食卓に上って、ゆでた白菜をムシャムシャ食べちゃった。白菜を食べるとは長い付き合いなのに知らなかったよ。とにかく笑えた。まさか白菜で騒いでるとは思わなかったからね。
1/8
ネコの代謝は人間や犬とは異なるから、ステロイド剤をそんなに心配することはないそうだ。効いてるかどうかは、まだまだわかんない。今はとりあえず元気だから。手術してからますますわがままになってるけど。食い意地が張ってきたのか、昨日も食卓に上って怒られてるし。
1/12
薬を飲ませ始めたら、食欲が増してきた。やっぱしどっかで炎症が起きてる証拠かも。しばらくステロイド剤と抗生物質を続けてみる。
1/19
最近は食い意地がすごいや。今日は食卓に上がって、新聞の匂いをかいでいた。食べるもんなんか何もないのに。
2/4
シコリは大きくなる一方だ。右前足の脇の下の腫瘍は、梅干しぐらいの大きさかな〜。ステロイドと抗生物質を飲ませている限りは食欲もあっていいってゆーか、食い意地がすげ〜し。
2/11
食欲がここ数日でめっきり落ちた。ほとんど食べようとしない。ちょっと熱があるみたいだし。水は飲むし、トイレもフツー。小さな身体の内側で何が起きているのかなぁ？
2/12
吐いた。ここ数日はほとんど食欲がなかったから、中身はほとんどなし。薄茶色だったのは胃液か、それとも血が混じってたから？ ケガしても強気に怒って手当を拒んでいたコが、今は弱々しい声を出してる。なでなでしても、ゴロゴロ言う元気がない。昨日までは熱があっても膝に乗ってゴロゴロ言わしてたのにな。
突然大声で「うわお〜」って吠えられてびっくり。たまに絶叫する。かなり痛いみたいだ。ゴロゴロ言わす余裕どころか、眠ることすらままならないみたい。悪魔のような雄叫びと、少女のようなか細い甘えた声が、繰り返し現れる。胸が苦しいのかな。段差を登る時も絶叫してた。近くにいながら、声を掛けてあげることしかできない。それだけで涙が出て来る。
病院は水曜定休なんだよね。急患で掛け込むこともできるけど、鎮痛剤で痛みをやわらげるぐらいしか手がないから。4kgちょっとあったはずが、今、僕の目の前にいる彼女は3kgを切ってしまった…。
ともかく栄養補給をと、ネコミルクを買ってきて与える。ダマダマだけど少し飲んでくれた。妙な格好で座ってる。あれが楽なのかな〜。
2/13
朝はミルクをちょっと舐めた。それでも昨日の朝よりは全然いい。返事する元気がある。夜になったらゴロゴロ言うし、モミモミするし、膝に乗ってくるし、ネコらしさをしっかり取り戻した(^^)v
2/20
腫瘍は外から見ても分かるぐらい大きくなった。ピンポン球を一回り小さくした感じ。
2/25
どうにも調子がよろしくないみたいで、突然大声を出したりする。ゴロゴロ言うから平気だとは思うけど。昨日今日と食欲旺盛で喜んでたのに…。食べ過ぎが患部を刺激するのかなぁ？
歩くのがしんどそう。尻尾が↓向き。見慣れないから目立つ。薬をぺっと吐いているのを発見。このせいかも。ステロイド剤飲ませたら元気になってきた。現金な奴だ。
2/26
薬を飲ませたら、ご飯をもりもり食べた。食べてくれるだけで嬉しい。まだ尻尾が↓向き。
2/28
今朝は、口から吹き出した泡の中に薬を隠してた。まったく、おばあちゃんは技がいっぱいあって困るよ。
3/1
薬を飲ませるのに、全身を使っていやいやするからね〜。今日も入れても押しても再び出て来てうんざりした。
3/3
抱き上げると咳をする。圧迫されるとヤバイのかも？
3/4
ご飯食べないし、トイレにも行かない。かなり心配。
3/5
ご飯食べない。トイレは行ったみたい。薬は飲まない。ホントにも〜。やっぱし肺に来たっぽい。医者からは、おそらく乳腺→胸筋→肺と転移して、呼吸困難になったり、喀血したりするだろうと予言されてる。抱っこしたりで胸を押さえつけると咳が出る。
3/6
朝方トイレに行くものの、トイレの外でオシッコしていた。ネコ缶の上澄みだけを舐めるので、ネコ缶をすりつぶして流動食っぽくして与える。フケが目立ってきた。
3/7
お腹が空いてるけど食べられないって感じかな。久しぶりに病院に連れて行こうか。
3/8
病院で注射してもらう。ステロイド剤で鎮痛効果を狙うんだって。元気が出て来るといいな〜(^^)/
3/9
今日は、やたら人に甘える。やたら呼吸が早いのは苦しいからかな？
3/10
鎮痛剤注射の効果で、食欲が戻ってきた。あと、なんだか妙にブリッコな声で甘えてくる。注射の効き目は10日間ぐらいらしい。ずっと注射し続けなきゃいけないんだろうな〜。
3/11
普段より呼吸がすんごい早くなってきた。ぜ〜ぜ〜言ってる感じ。抱き上げる時って胸を圧迫するでしょ？ すると「ケホケホッ」って咳する。肺が確実に蝕まれている。薬を飲ませなきゃいけないから、1日に2回は抱き上げなきゃならないんだよね〜。
3/12
注射してからすげ〜お喋り。文句を言う元気が出てきたかな。
3/13
身体を舐めるどころか、顔も洗わなくなってきた。痛いのはもちろんあるはずだけど。段差を越えるのもひと苦労してるし。鼻も効かなくなってんのかな〜？
3/17
明日は注射に連れてく。また尻尾が下がってきた。有効期限10日間はホントらしい。
3/18
尻尾がピン↑。お医者さんの前では怖くて「やーん」って泣いたくせに、帰ってきたら「痛かった」と怒りまくり。なでろ〜と要求して久しぶりにスリスリもしてくれた。注射したから痛くないって因果関係は理解してもらえないけどね。とりあえず元気だ。
医者から「注射が効かなくなったら、それだけ進行しているってことです」と脅される。
3/19
横になったり、香箱作ったりするネコの基本ポーズは、どうにも呼吸が苦しそうだ。気が付くと人間でいう片膝立てたようなかっこをしてたり、お座りになってたり…。熟睡できないのが、また辛そうだ。
朝からベランダに出て、いつものエアコンの上で日向ぼっこを楽しむ。これが最後の外出になるなんて、この時点では全く想像してなかった。
3/20
毎朝2錠、毎夕1錠、薬を飲ませてるけど、その度にイヤイヤをして、ついにこんな大技を繰り出しやがった。つららのように見えるだらら〜んとしたヨダレの泡の中には、飲ませたばかりの薬の成分がいっぱい含まれているはず。薬を飲むと痛みが和らぐ。そんな因果関係をネコが理解できるはずもなく、今日もいじめられたとか思ってるんだろうな〜。
3/21
夜中にトイレを失敗する。トイレの外でしちゃった。枠を乗り越えられなかったのかな〜？ スリッパが殉職。今朝もつらら発生〜。
3/22
くっきいさんは昨日今日とゴロゴロを言う元気もない。トイレもたどり着くので精一杯。前足だけネコトイレに入って用を足すもんだから、床がびしょ濡れ。頑張ってるのが分かるだけに、余計に痛々しい。薬を飲んだら少しは楽になるはずだけど、今日もまた泡泡泡〜。
ご飯はユルユルの流動食をちょち舐めただけ。ネコミルクを作ったら少しだけ飲んでくれた。水を飲んでくれるからまだいいけどさ。ほとんど寝たきりで、しかし眠ってるかっていうと、そうでもなさそうで。声かけながら撫でてると、ついつい泣けてきてしまう。
3/23朝
こんなに軽くなっちゃって、抱っこしたらびっくりだ。今朝もプチつららが発生した。
3/23夜
夕方、ソファにおもらししちゃった。もうトイレにすら行く元気がないのか ??? トイレをリビングに持って来た。今日は水しか飲んでない。触ると骨と皮だけになっちゃった。道理で軽いわけだ。
呼んでも返事できない。ゴロゴロも言えない。相方は昨日、ペットの火葬業者を調べてた。今のうちに調べておかないと、いざその日が来たら役立たずになっちゃうから。
苦しいのかな？ 眠れないみたいだよ。返事できない。ゴロゴロ言えない。ただ息をして、丸くなって、そこにいる。無理しなくていいよ。苦しいんだったら楽になっていいんだよ。もう、それしか言えない。姿を見てるだけで泣けてくる。
お前の名前はくっきいだよ。それだけは忘れちゃダメだからね。返事はないけど、それだけを言い聞かしている。目をつぶることもできずに、黙って聞いてる彼女が、あまりにふびんだ。足のケガもあって、痛みとずっと付き合う一生を送ってきたネコだった。かわいそうなことをしちゃったかもしれないね。もういいよ。楽になっていい。くっきいのことは一生忘れないからさ。忘れられるわけがないじゃん。
そばにいてあげるのは睡眠の邪魔をしてるような気もするけど、そうしないと僕の気が済まない。今夜はくっきいと一緒に寝よう。一番愛した娘と一緒に。くっきいの鼓動。最低限の生きている証し。それを子守り歌に今宵は眠ろう。暖かいんだよ、まだ。
3/24朝
今日も一生懸命に生きている。丸くなって尻尾を枕にして寝てるよ。今日は水さえ飲めない。ネコミルクを作っても見向きもしないし。薬を飲ませても飲み込む力が残ってるのかわかんない。
食卓の横でくっきいさんが眠ってる。出がけに、リビングのドアを開け放ったまま、玄関から撮影した。元気だったら顔を上げて「行っちゃうの？」って僕の動作を見てるんだけどね。
3/24夜
獣医に相談して、薬を小さく砕いて飲ませるための注射器と、ペースト状の栄養剤を買う。ご飯どころじゃなくなってきたから、仕方ないよね。
抱き上げてトイレに降ろしたら、ただ座り込むだけ。しないのかな〜？と再び抱き上げたら、ちゃんとオシッコしてくれてた。トイレに連れて行かれたことは、いちお分かってくれたみたいだ。
くっきいさんがちょっと歩いた。すんげ〜ヨレヨレ。酔っ払いが焦点定まらずって感じだった。意識もかなり朦朧としてるんじゃないかな〜。それでも、僕のところまで歩いて来たんだ。精一杯の力を振り絞ったのかと思うと、また泣けちゃうよね。「くっきいはいい子だね〜」こればっかり話し掛けてる。頑張ってるくっきいを、いっぱい誉めてあげなきゃ。
3/25朝
とうとう喀血しちゃった。薬は粉々に砕いて少量の水に溶かして、注射器で飲ませた。薬を飲ませる時に弱々しくイヤイヤする以外は、ほとんど反応がなくなってきた。寝返りは自分でできるのかな〜？ それでも今も目を開けたままで横たわっている。痛くて眠れないのかな〜。意識がはっきりしているとは思えないけど。
出がけに大泣きしちゃった。ペットシーツを敷き直そうと抱き上げたら、全然反応がないんだもん。なすがままというより、ただの物体になってる。目が半分開いてるのはよくあることだけど、呼びかけた声の方を向くわけじゃなく、焦点が合うとか以前に反応がない。耳も音のする方を向かない。
君はただ呼吸してる。昨日、僕のとこまでヨレヨレと歩いてきた姿を思い出す。あれはもう奇跡だったんだね。
ずっとそばにいてあげたい。そう思う半面、できればそんな瞬間は見たくない。相反する気持ちが両方ある。まるで逃げるかのように早めに出てきた。名前を呼びたい。でも口にしたら泣けてしまう。やれることはやった。いっぱい愛した。悔いもいっぱいある。ネコを飼うのは可愛いだけじゃないから。だからなおさら、わがままを受け止めてあげればよかった、と後悔するのかも…。
いつもなら家中のドアを開けて、トイレなんかに行けるようにしてるんだけど、トイレはリビングに置いたし、歩き回ることもないだろうから、ドアをきちんと閉めてきた。今日は雨。ストーブを消したら寒いよね。上に毛布を掛けてあげたいけど、そしたらますます呼吸が苦しくなるかな〜？ そのままの状態で出てきた。帰ったら、またいっぱい撫でてあげるね(^_-)
3/25夜
相方からメールあり。無事に旅立って行ったようだ。これから帰る。帰っていっぱい抱きしめてあげようと思う。
速く走れ〜。あと3駅。早く早く。いっぱい抱きしめてあげなきゃ。いっぱい名前を呼ばなきゃ。いっぱい泣かなきゃ。早く触らせて。早く抱かせて。早く撫でさせて。お願い早く。
もうちょっとだけ待ってればいいのに、くっきいさんは一人で旅立って行った。それだけが心残りだよ。さよなら、くっきい。ありがと、くっきい。昨日のドア越しに撮った君の姿が、最期の写真になっちゃった。いろいろと判断ミスを犯して、もしかしたら死期を早めてしまったかもしんないけど、それでも、くっきいをいっぱい愛した。これだけは間違いなく言えるよ。
明日、火葬します。今夜は一緒に眠る最後の夜だ。おやすみ、くっきい。
3/26
今日から薬を飲ませなくていいんだ。そう思ったら、また泣けてきた。12時に予約が取れた。くっきいさんを焼いてきます。気持ちにしっかりと整理を付けたい。
生きていないネコを撫でるのは難しい…。とにかく耳が邪魔だ。君はいつも耳を寝かせて、撫でやすくしてくれていたのだね。すっかり固く冷たくなっちゃった。僕の大好きだったくっきいさん。これでお別れだね。
そして…
末期は驚いている暇もないぐらいに、症状が次から次へと加速度的に進行しました。夏までは大丈夫だと思っていたのに…。飼い主である私たちの数多の判断ミスが、進行を早めてしまった点も否めません。いくら後悔しても、いくら謝っても、もうあの娘は戻ってきません。
いつもそばにいただけに、喪失はどうしてツライですね。スーパーに行くと「ネコ缶まだあったっけ？」と、つい考えてしまう。帰宅したら、どこにいるのかつい探してしまう。トイレのドアを意味もなく開けっ放しにしてしまう。そんな何気ない思考や動作に、あの娘の存在がまだまだ染み付いています。
＋ 更新履歴
- 2003-04-03
- 初版
- 2005-07-05
- 写真1点追加
- 2005-09-16
- レイアウト変更