北海道/1987冬

Farewell JNR 12 Days Travel

1987(昭和62)年3月、国鉄最期の冬に北海道ワイド周遊券を使って12泊12日、うち車船中泊10日の貧乏旅行を行いました。いわゆる"乗り鉄"の旅ですが、とにかく撮影が楽しくて楽しくてしかたがない年頃だったので、カメラバッグにはボディとストロボ各1台と標準、広角、望遠ズーム、超望遠、マクロという当時持っていたすべてのレンズを入れて、ポジフィルムも多めに用意して、さらには三脚まで持って出掛けています。着替えなどは別のデイパックに詰め込んで背負いました。今だったら荷物をこんなに重くするなんて考えられませんが、無謀なスケジューリングも含めて、若気の至りなのでしょうね。

事前に綿密な予定を組んで渡道しましたが、3月とはいえ渡道早々に大雪による不通に見舞われたり、あるいは同好の士からの情報で立ち寄り先を変えたり、いい意味でアバウトな旅になりました。

また道中では、厳寒のせいもあるのでしょうが、Nikon FE2 の持病だったシャッター幕が開きっぱなしになる故障に二度も見舞われました。その度に予定を変更して札幌のサービスステーションに持ち込みました。カメラボディは1台しか持参しておらず、その間は撮影が一切できませんでした。既に廃止された路線も少なくなく、返す返すも無念でなりません。

乗車データや撮影データなどについて、ここまで克明に記録を残したのは、後にも先にもこの旅だけです。繁雑すぎるので、撮影データの詳細は割愛して掲載します。また、本文は当時のメモを基に再構成しています。雰囲気を残すため「ですます体」にはあえてしていません。併せてご了承ください。

観光地にも温泉にも、そして美味いものにもまったく見向きもせず、ひたすら国鉄線に乗ることと撮ることに執念を燃やす12日間の記録を、どうかご笑覧ください。

目次

• 1日め 仙台−青森−函館−札幌−稚内
• 2日め 豊富〜稚内〜市内観光〜稚内−滝川
• 3日め 滝川〜新十津川−小樽−札幌−池田
• 4日め 池田−陸別−遠軽−紋別−名寄−遠軽−岩見沢
• 5日め 岩見沢−夕張−苫小牧−札幌−室蘭−稚内
• 6日め 稚内−名寄−朱鞠内−名寄−岩見沢−遠軽
• 7日め 遠軽−網走−根室標津−厚床−釧路
• 8日め 釧路−根室−釧路−網走−深川
• 9日め 深川−朱鞠内−札幌−長万部−瀬棚−函館
• 10日め 函館−札幌−増毛−留萌−幌延−稚内−砂川
• 11日め 砂川−歌志内−上砂川−砂川−札幌−函館
• 12日め 函館−青森−盛岡−仙台
• おわりに
• 乗車データ

＋ 更新履歴

1987-03-31

私家版

2005-05-07

公開初版

2007-02-01

データ一部修正